○駿東伊豆消防組合消防設備士免状返納命令事務処理要領

平成28年4月1日

消防本部訓令甲第9号

(趣旨)

第1条 この要領は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第17条の7第2項において準用する法第13条の2第5項及び総務省消防庁の定める運用基準(消防設備士免状の返納命令に関する運用について(平成12年3月24日付け消防予第67号通知)の消防設備士免状の返納命令に関する運用基準をいう。以下「運用基準」という。)に基づき行う消防設備士免状の返納命令に関する事務処理について必要な事項を定めるものとする。

(措置基準)

第2条 消防設備士(以下「設備士」という。)が行った行為が、別表に定める消防法令違反通告措置基準(以下「措置基準」という。)に該当する場合は、措置基準に従い違反事項の通知措置等を行うものとする。

(違反の調査等)

第3条 消防長又は消防署長(以下「消防長等」という。)は、消防職員(以下「職員」という。)から措置基準に該当する違反事案等の報告を受けたときは、必要に応じて職員にその事実関係を調査させるものとする。

2 前項の調査を命ぜられた職員は、違反に係る事実を確認し、把握するとともに、関係者、違反行為者等人的関係及び周囲の状況並びに社会的影響等の事実関係を明らかにしなければならない。

3 前項の調査を行った職員は、調査結果を速やかに消防長等に報告しなければならない。

(違反事項通知)

第4条 消防長等は、設備士の行った行為が措置基準に該当する場合は、当該違反者に対して違反事項通知書(様式第1号)により措置し、併せて始末書を徴収する。また、違反者の行った違反行為が管理監督者の責任に起因する場合は、管理監督者に対して文書にて注意を行うものとする。

2 違反事項通知書は、当該違反者に直接交付し、受領書(様式第2号)の提出を求めるものとする。

(措置の留保)

第5条 消防長等は、設備士の行った行為が措置基準に該当する場合であっても、情状及び行政効果を勘案して違反事項通知を留保することができる。

2 措置基準により算定した違反点数が3点以下であり、次の全てに該当する場合は、措置の留保に相当するものとする。

(1) 過去に措置基準に該当する違反を行っていないこと。

(2) 指摘した違反事項を直ちに改修したこと。

(3) これまでに、防災対策、防災教育等に実績があったこと。

(報告)

第6条 第4項第1項の規定により違反事項通知を行ったとき又は前条の規定により違反事項通知を留保したときは、消防設備士違反処理報告書(様式第3号)により、消防長に報告するものとする。

2 前項の消防設備士違反処理報告書には、違反時の状況を具体的かつ明確に記載した次に定める書類(以下「関係書類」という。)を添付するものとする。

(1) 消防設備士違反調査報告書(様式第4号)

(2) 違反者の供述調書(様式第5号)及び質問調書(様式第6号)

(3) 実況見分調書(様式第7号)

(4) 関係者等の質問調書(様式第6号)

(5) 違反者に交付した違反事項通知書の写し及び受領書の写し

(6) その他違反事実の立証に関係する資料

(違反点数の管理)

第7条 消防長は、前条の報告に基づき、違反者ごとに消防設備士違反処理台帳(様式第8号)を作成し、及び管理する。

(静岡県知事への報告)

第8条 消防長は、第6条第1項の規定による違反事項通知を行った旨の報告を受けたときは、運用基準第5の1の(1)に規定する消防設備士違反処理報告書を作成し、当該違反者が交付を受けている免状の写し及び違反時の状況を具体的かつ明確に記載した書類を添付して静岡県知事に報告する。

(違反点数の算定)

第9条 設備士が違反行為をしたときは、次に掲げるところにより当該違反行為に係る違反点数を算出する。

(1) 違反点数は、基礎点数に事故点数を加えることにより算出する。

(2) 2以上の種類又は指定区分の免状を有する者が一の違反行為を行った場合は、当該違反行為に係る違反点数を前号に基づき算出した上で、当該違反点数を全ての免状の種類等ごとに計上する。ただし、消防設備士講習受講違反については、当該違反行為に係る違反点数を当該違反行為に係る免状の種類等に限り計上する。

(3) 同一人につき、同時に違反行為が2以上あるときの基礎点数は、各違反行為に係る基礎点数を合計したものとする。

(4) 事故加点は、違反行為と相当な因果関係を有する損害について、その程度に応じた災害事故加点及び人身事故加点のうち、該当する項目の点数を合計したものとする。

(5) 2以上の設備士による共同違反行為については、当該共同違反行為を行った全ての設備士について当該違反行為に係る違反点数を計上する。なお、他の設備士を教唆して違反行為を行わせた者についても、共同違反行為を行った者として取り扱うものとする。

(6) 災害事故加点は、法令違反に起因して災害事故が発生した場合には、当該事故の程度(大・中・小)により加点(6・4・2点)する。ただし、事故の種別が複合競合する場合は、事故の程度の大きい方をとり加点する。

(7) 人身事故加点は、法令違反に起因して人身事故が発生した場合には、当該事故の程度(死亡・重傷・中等傷・軽傷)により加点(20・10・8・6点)する。ただし、死傷者が複数人発生した場合は、そのうち最も重い程度の点数をとり加点する。

2 違反行為の内容が次の各号のいずれかに該当する場合は、違反点数を計上しないものとする。

(1) 違反行為につき、正当防衛、緊急避難その他の違法性阻却事由がある場合

(2) 行為者が無過失の場合

(3) 行為者が違法行為を行ったことにつき、真にやむを得ないと認められる事情があるため、措置をすることが著しく不当と認められる場合

(4) 違反行為が継続する性質の行為であって、即に措置したにもかかわらず違反行為が継続している場合については、措置を受けた者が違反を是正するに要する相当期間(講習受講義務違反については、措置後1年)を経過しない場合

(措置点数の算定管理)

第10条 措置点数は、消防長が管理する設備士に係る消防設備士違反処理台帳において、設備士が最新に行った違反行為に係る違反点数と当該違反行為を起算日とする過去3年以内に行われたその他の違反行為に係る違反点数の合計を個別に算定し、設備士ごとに管理する。

(違反処理報告の受理)

第11条 消防長は、静岡県知事から第8条の報告に基づく消防設備士免状返納命令の通知を受けたときは、消防設備士違反処理台帳に所要の事項を記載し、当該台帳につづり、保管する。

(補則)

第12条 この要領に定めるもののほか、必要な事項は、別に定める。

この訓令は、平成28年4月1日から施行する。

(令和4年3月30日消本訓令甲第1号)

この訓令は、令和4年4月1日から施行する。

別表(第2条関係) 消防法令違反通告措置基準


違反行為の種別

基礎点数

事故点数

事故加点

人身事故点数

1

法第17条の3の3

(規則第31条の6)

資格外の点検実施又は無資格者を利用しての点検の実施

6

(加点要領)

消防設備士が行った違反行為と事故が相当な因果関係を有する場合に当該事故の程度に応じ点数を加点するものとする。

(加点)

① 事故の程度が小 2

② 事故の程度が中 4

③ 事故の程度が大 6

(加点要領)

(1) 人身事故の程度は、初診時における医師の診断に基づき分類する。

(2) 死傷者が2人以上の場合は、そのうち最も重い者により分類する。

(加点)

① 軽傷 6

入院加療を必要としないもの

② 中等傷 8

重傷又は軽傷以外のもの

③ 重傷 10

3週間以上の入院加療を必要とするもの

④ 死亡 20

事故発生後48時間以内に死亡したもの

2

法第17条の5

保有する消防設備士免状対応業務以外の業務実施(資格外の工事若しくは整備の実施又は無資格者を利用しての工事若しくは整備の実施(当該無資格者の作業に対する指導、監督が有効に行われている場合を除く。))

8

3

法第17条の10

消防設備士講習受講義務違反

5

4

法第17条の12

誠実業務実施義務違反

技術基準違反の工事、整備の実施

a

消防用設備等の機能、効用が著しく損なわれている場合

8

b

a以外の場合

3

点検基準違反の点検実施

a

消防用設備等の機能、効用が著しく損なわれている場合

6

b

a以外の場合

2

事実と異なる点検結果の記載

a

消防用設備等の機能、効用が著しく損なわれているにもかかわらず、そうでない旨の記載をした場合

6

b

a以外の場合

2

5

法第17条の13

消防設備士免状の携帯義務違反

4

6

法第17条の14

消防用設備等の設置工事着手届出義務違反(事実と異なる届出を含む。)

4

7

法第21条の2④

個別検定に合格した旨の表示(検定表示)のない検定対象機械器具等の工事への使用禁止違反

7

8

法第21条の16の2

自主表示対象機械器具等に係る技術上の規格に適合する旨の表示(自主表示)のない自主表示対象機械器具等の工事への使用禁止違反

7

(注)

1 この表において「規則」とは、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)をいう。

2 消防設備士講習受講義務違反については、規則第33条の17第1項に定める講習の受講期限又は同条第2項に定める講習の受講期限までに受講しない場合に、それぞれ当該期限が経過したとき違反行為があったものとする。また、その後1年以内に受講する機会があるにもかかわらず受講しなかった場合は、1年を経過したとき再度違反行為があったものとし、それ以降においてなお受講しない場合も同様とする。

3 誠実業務実施義務違反中の「消防用設備等の機能、効用が著しく損なわれている」とは、当該消防用設備等が設置されていないのと同視され得る程度に機能、効用が損なわれている状況をいう。

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駿東伊豆消防組合消防設備士免状返納命令事務処理要領

平成28年4月1日 消防本部訓令甲第9号

(令和4年4月1日施行)